ポエトリー(自作)
深夜テンションとかで取った自作のポエトリー・リーディングっぽいもの
完全即興(フリースタイル)を含む
フリー音源、即興
2023/07/21 トラック:フリー曲 - これぽい/KorePoiより
切迫する。切迫する。心臓の鼓動が僕を焦燥する。
こんなこと産まれて初めてかもしれないけど、生まれる前からかもしれない。
情動が身を灼く、はやく「すべて」を見つけなくちゃ。それはきらめきで、僕への定義で、おそらく正義で、だからはやく見つけて、みんなに教えなくちゃって。
見渡せ、それは目に瞬いた衝動、高層ビルの屋上から見たらあまりにもちっぽけで。それでもちっぽけなものひとつひとつに価値があるんだって――風が吹いている。
なぁお願いだから下を向かないで、僕はそんな顔が見たいんじゃないんだよ。流れる街、踏み出す足、真っ暗闇を進む君の目に美しいものがあるんだって信じ込ませたいだけ。落ちる砂時計に夕焼け、羽ばたく蝶の羽、あまりにもきれいで。君にだってあるだろ、ビー玉の経験。僕たちみんなタイムスリップしよう、うしろの正面だあれ、死ぬなんて言わないで!そんなエゴも言えないでせめてこれだけ。
あの日のラムネ、繋ぐガラスで。割れたグラスも暮れた陽の夏も確かに確かにきらめいていて、枯れた向日葵は太陽を見ないけど、跳ねる雨粒も湿る朝露も輝くことに違いはなくって。例えばふとした瞬間の汗と涙、木漏れ日と蓮の葉、ひだまりと焚き火にあるはずの感情を。そこに違いなんてあるようでなくて、気づけば日が過ぎて夏も終わって、あぁ紅葉が、鮮やかに舞って、秋空の澄んだ色と月夜と星の、あの感覚には音がありそうで。波の音、聞こえる?潮風の声。
あぁ、あの日の雪は綺麗だったな、触れられない白さに神聖な冷たさ、空気が存在を澄ませ、枯れ木に雪が散ってて、まるで花のように見える夜だったんだ。街のネオンサイン、文字を抜いた光、無音が聞こえて。地面に倒れ込む無邪気さを夜空が褒めてくれてる。ああ、ちっとも、散っていって、聞こえる?鈴虫の声。
花吹雪、風に芽吹き跳ね回る生命、君はどこから来てどう生まれつくだろう。髪が靡いて、混ざる桜へ、あの日迷い込んだのは美しい並木で。夜桜はライトアップされ、君にスポットライトされる。切り替わる切り替わる季節の色の音、君の独白が、ねぇ!音が無くなる!待って!
行かないで、行かないで!この世界は、この世界はこんなにもきれいで!君に伝えたい事はたくさんあって!どうしようもないことをどうにかできるなんて言わないけど!ただ君の鼓動を、感じていたいんだよ。
だって、だって君はこんなにもきれいで。心の中に輝きを持って、それが無くなるなんて、耐えられないよ。ねぇ君の世界はどうなってるの?僕の世界だって同じだよ何度も何度も何度も死にたいって思ったけど!ビー玉を翳すんだ色ガラスみたいにフィルタして、希望を持て、明日を待て、こんなふうに世界が変わればいいなって。そうすれば全ては、輝きを持つから。
だから、ねぇ、寂しいよ。美しいなんて言わなくて良くなればいいのにね。当たり前で呆れてしまうくらいの言葉になれば幸せ。色ガラスなんて本当は無くなればいいんだ。僕たちは幸せに幸せに生きて……
それができなくて世界は……輝いてる。